技能五輪について公表されているデータを、データベース化しています。
また、関心のあるテーマについてはグラフ化や統計分析を行い、その結果も公表しています。
データベース
■ 2019年WSCカザン大会
人間開発指数と技能五輪世界大会の関係は?
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■ 第58回技能五輪全国大会
・企業別成績(金を5、銀を4、銅を3、敢闘賞上位を2、敢闘賞下位を1として得点化)
・全職種の得点分布→こちら
※元データはJAVADのHPで公開されたデータです。
データ分析
第58回大会の職種別得点分布の分析:クラスター分析
元データはJAVADのHPで公開されたデータです。
全職種の得点分布をパターン分けしてみました。今のところ勝手にわけただけの仮説です。
これを検証するために、クラスター分析という統計の分類手法でも確かめてみます。
クラスター分析とは、得点傾向の似たもの同士をグループ分けする方法です。
— 羽田野健 |合同会社ネス (@NessKraft) April 27, 2021
クラスター分析してみました。
クラスター分析の方法は、
・方法:ウォード法(階層的クラスター分析)
・距離:ユークリッド距離
でした。
仮説では5つに分けていましたが、分析してみると3つくらいが妥当そうでした。
その3つをA、B、Cとして、グーグルスプレッドシートに追記しました。
A:二局型
データ:https://docs.google.com/spreadsheets/d/1rDz7s-3T-ZEWM9RvC5aIPW-XHvkMCqXaI89Ia9XqUP0/edit#gid=1615050481
0点台の人が一番多く、未完成で終わる参加者が多いことを意味します。データだけ見て解釈すると、完璧さを目指し、そうでない者をふるい落とすことに重点が置かれている印象です。
評価の仕方は、「どんな力を伸ばし、どんな力は伸ばさないか」の考え方を反映しています。 このような得点分布の場合「わずかなミスも許されないような完璧な作業を実現する力」が伸びる一方で、「失敗にうろたえず失敗を分析してやり直す力」は伸びにくいかもしれません。例外はあるでしょうが。
B:トップロード型
データ:https://docs.google.com/spreadsheets/d/1rDz7s-3T-ZEWM9RvC5aIPW-XHvkMCqXaI89Ia9XqUP0/edit#gid=1615050481
全ての得点区間にまんべんなく分布し、60点台から80点台にかけて緩やかに人数が増え、90点台では減少します。熟練度が低い、高い人に関係なく評価を受けられる点が特徴です。
C:ベル型
課題が当日公開や変更がある職種が中心です。
参加者の熟練度が3段階(平均以下、平均、平均以上)くらいにわかれる評価基準です。参加者は自分の立ち位置や次に目指す段階が客観的に把握しやすいといえます。
事前公表の職種と当日公表の職種では、認知能力の成長の仕方が違うと考えられます。事前公表では、本番が答え合わせになるので、間違わないのが当たり前で、完璧さが育ちます。当日公表では、本番まで何がでるかわからないので、多少の間違いは当たり前で、臨機応変さが育ちます。