作業ミスに気づいた場合、ミスがなぜ起こったのか原因を探ることになります。
リカバリするかの判断をするために必要だからです。

その際に、過去に経験したパターンを元に考えることを、
パターン認識といいます。

パターン認識をすると、原因を探る手間は大きく減ります。
例えば過去に似たミスを経験していれば、そのパターンに近い原因を探るので、
原因のタイプやリカバリの方法を新たに考え出さずに済み、考える手間は減ります。

また、そもそも自分が起こしやすいミスにはパターンがあります。

たとえば、焦りやすい人は、早くやろうとして寸法の計算を暗算で行い、
計算ミスを起こしやすくなります。そして、計算ミスの起こりやすい暗算箇所には、
その人なりのパターンがあったりします。

こうしたパターンに気づいてくると、ミスそのものを予測する能力も高まります。

技能五輪では、具体的にどんなときに使うの?

いつ?
作業ミスをした時点で。

確認している時など後から作業ミスに気づいた場合は、その時点で。

どうやって?
セルフトーク:作業ミスについての過去の経験を探る言葉

このミスは過去のどのミスと似ているか
あのときはこういう原因だったから、まずこれが原因なのか探ろう

イメージ:
自分が普段から蓄積している作業ミスのデータベースを思い出してイメージし、該当する、もしくは近いミスに基づいて、原因をお想い浮かべる

動作:
イメージとつなげて、思い出したものを指で操作したり、手でどけたりして補助する

これをやるとどうなるの?

やると
ミスの原因の分析に必要な認知負荷が減ります。
そのため、原因の分析にワーキングメモリをあまり配分しないで済みます。
その結果、作業ミスの原因にたどり着く時間や手間を省略できます。
そして、リカバリをするかどうかの判断が素早く、正確に行えます。

もしパターンに当てはまらないミスとわかったなら、新しい原因を探索することになるので、
手当たり次第にミスの原因を探すような効率の悪い方法を、とらなくなります。

やらないと
ミスの原因分析の認知負荷が高まります。
また、作業ミスそのものが時間を圧迫するので、
時間負荷も高まります。

そうした中では、冷静に原因の分析を行うことが難しくなります。
その結果、作業ミスの原因の発見やリカバリをするかどうかの判断に時間がかかります。

そうすると、リカバリ出来るミスなのに「できない」と考えるたり、
リカバリ出来ないミスなのにリカバリしようとして時間を使ってしまいます。

日常ではどんな場面で使うの?

パソコンでソフトを操作していてトラブルが起こったり、
やりたいしやったことがあるけどどうやるか忘れてしまったことがあるときに、
昔を思い返して、対処方法を考えたりします。

あるいはネットを使って対処方法を調べたりします。

そんなとき、ネットの検索欄に以前調べた検索語が残っていると、探すのがはるかに簡単です。過
去のパターンに当てはめて分析することは、それと同じようなものです。

スキルの段階は?

グリーン

チェックの仕方は?

自分が何かの作業やタスクに取り組む時を振り返ります。
そしてこのスキルの内容をどのくらい意識して行うか、
「1.全く行わない~5.常に行う」の5段階で回答します。