作っているものが求めた品質に達しているか確かめることは、高い完成度のものづくりにとって大切です。もし求めるものに達していない場合、その場で修正したり、その後の作業の仕方を変える必要があるからです。

この確認は、定めた作業工程ごとに行う必要があります。もし全部終わってから確認するだけだと、途中で品質が低下していても気づかないからです。また、確認のタイミングがバラバラだと、品質の低下を見逃しやすくなります。それらを避けるために、どの段階で何の品質をどのくらい確かめるか、定めておきます。

大切なポイントは、どのくらい確認を入れるかです。たとえば1分に1回確認では多すぎますが、1時間に1回では少なすぎます。

どのタイミングで確認すると作業の邪魔にならず、しかも品質をキープしやすいか、訓練の中で研究を重ねていきます。

技能五輪では、具体的にどんなときに使うの?

いつ?
作業の経過時間や、作業工程の区切り、自分なりの区切りなどで。

どうやって?
セルフトーク、タイミングや確認方法を思い出すもの

確認のタイミングだから確認
急いでいて時間がないけど最低限の確認はしよう

イメージ:
作業の工程表の中に確認のタイミングをマークしておき、それをイメージする、電車やバスなどの乗り物を降りて点検するなど

動作:
必要な情報を指差しながら、目が見るべき場所をガイドする。2つの情報を照らし合わせて確認するような場合は、両手をつかって、関連する情報を結びつける。

これをやるとどうなるの?

やると
求めた品質を実現しやすくなります。また、作業ミスなどで品質が下がった場合、修正しやすくまります。

いつ確認するかを定めておくことで、そのタイミングになると自動的に思い出すようになるため、認知負荷が減ります。

その結果、十分なワーキングメモリを確認に配分できます。

また、特に終盤で時間のないときは確認を省きやすくなり、品質が下がっても気づかなかったりしますが、定めておくとそういった場面でも確認を行えます。

やらないと
いつ確認するかを定めていないと、求めた品質に達していないことに気づくのが遅くなります。もし作業ミスなどで品質が下がっていても、修正が難しくなります。

確認のタイミングがバラバラだと、ある時は確認してミスに気づいたが、別のときには確認せず気づかなかったということが起こります。

その結果、修正できたはずのミスや段取りをそのままにしてしまい、全体の品質が下がることもあります。

日常ではどんな場面で使うの?

文章やプレゼンテーションの資料を作っているとき、最後まで完成させてから思ったとおりになっているか確かめると、思ったのと全然違うことがあります。

一方、作っている途中の段階で小まめに「思ったとおりになっているか」を確かめると、完成しても、思ったものとそれほど大きくずれにくくなります。

あまりにも頻繁に細かく確かめていると前に進みませんが、「このタイミングで一旦確認しよう」と定めておくと、思ったとおりの完成度に近づきやすいように思います。

スキルの段階は?

オレンジ

チェックの仕方は?

自分が何かの作業やタスクに取り組む時を振り返ります。
そしてこのスキルの内容をどのくらい意識して行うか、
「1.全く行わない~5.常に行う」の5段階で回答します。