一言でいうと、情報インプットの効率化です。
目や耳、手など多くの感覚を使ったインプットを、マルチモーダル・インプットといいます。マルチモーダル・インプットを使うと、情報を素早く正確に理解すること、行動することが可能です。例えば、指差喚呼は、この効果を使った方法の一つです。
作業中に、選手は様々な情報をインプットします。例えば、図面や仕様書の指示、加工数値、物の配置や動きなどです。そうした情報の多くは、目を通してインプットされます。
しかし、目は錯覚を起こしやすいという特性を持ちます。だまし絵などがその例です。
また、例えば時間があまりないときなどは、早くインプットしようとして間違えた場所を見たり、見落としたりしてしまうこともあります。
こうした状態を避けるために、目だけに頼らず指でガイドしたり、情報を声に出して聴覚からもインプットするなど、インプットを多角的に行います。
技能五輪では、具体的にどんなときに使うの?
いつ?
作業前ならやることを確認したり、必要な情報を探したりする際。作業中なら情報をインプットする際。作業後ならやった作業の確認をする際
どうやって?
セルフトーク:探している情報や、インプットしたい情報を、声に出してつぶやく。小さな声の場合もある
イメージ:
動作を補助するイメージ
動作:
必要な情報を指差しながら、目が見るべき場所をガイドする。2つの情報を照らし合わせて確認するような場合は、両手をつかって、関連する情報を結びつける。
これをやるとどうなるの?
やると
情報がインプットしやすくなり、その速度や精度が上がります。
見落としや見間違いが減ります。特に見落としや見間違いが増える場面(作業ミスした際や、時間資源が少なくて早く作業したい際)に、効果を発揮します。
やらないと
通常の状態では大きな差を感じにくいですが、特に見落としや見間違いが増える場面で、見落とし闇間違いが増えます。
日常ではどんな場面で使うの?
急いでいるとき、駅で電車の時刻表を見ていて、これから特急に乗れそうかなどを探すとき、目だけで探すより指でガイドしながら探した方が、見つかりやすくなります。
また、券売機の上にある路線図を指で追いながら見ている人をみかけます。自分から遠い場所にあるものを見る時、目だけだと色々な情報が混じってしまいますが、指と組み合わせると、見たい情報に集中しやすくなります。
スキルの段階は?
オレンジ
チェックの仕方は?
自分が何かの作業やタスクに取り組む時を振り返ります。
そしてこのスキルの内容をどのくらい意識して行うか、
「1.全く行わない~5.常に行う」の5段階で回答します。