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技能五輪の選手は、大会で良い結果をえるために、1年にわたって厳しい訓練に取り組みます。

訓練では成長する喜びや上手くいかない辛さを経験します。どちらも大事な経験ですが、あまりにも上手く行かないことが続くと、以下のような心理的な現象が起こります。

燃え尽き
頑張っていても終りが見えない、失敗が続くなど、いつまでやっても状況に変化がないときに、「これ以上やっても無駄だ」と感じ、燃え尽きたように気力を失う。看護師や介護職などの対人援助職はこの状態になりやすい、とされる。

目的迷子
自分が何を目指して努力しているのか、これをやって何のためになるのかを見失った状態。成果を発表する場や人に見てもらう機会が無いなど、日々やっていることの意味がわかりにくい状況で起こりやすい。

孤独感
人は社会的ないきもの。誰かに見てもらったり一緒にやったりといった人との繋がりの中で、やる気が出たり、ストレスを解消したりする。周りで誰もやっていないことをずっと続けていると、つながりは乏しくなり、やる気を失ったり、ストレスが溜まったりしやすい。

高度な訓練を受けていると、大なり小なりこうしたことは起こってきます。

重要なのは、早期発見と早期対応です。

例えば動きが鈍く見えたり口数が少なくなったりするなど、普段と違う様子がうかがえたら(早期発見)、話を聞いたり、訓練のプログラムを調整したり、気分転換の活動を挟むなどして(早期対応)、現象の解消に向けて動くとよいでしょう。

※この投稿は2020年12月10日(木)に実施の「効果的な訓練計画の策定と熟練技能者の実践指導法」(主催:職業能力開発総合大学校)にてお話した内容をもとに編集しています。

参考
・燃え尽き症候群https://job-medley.com/tips/detail/894/