レンジを計算する
レンジとは、データの変動の大きさを捉える指標の一つで、データの最大値-最小値から算出します。
技能の訓練に取り組むAさんとBさんのデータです。ある工程を10回行い、その完了タイムが記録されています。平均タイムはほとんど同じですが、どちらの作業の方が、より安定したタイムで作業しているでしょうか。
それを調べるために、まずデータの構造を確認します。列は試行回数、Aさん、Bさんとなっています。12行目に平均タイムを計算してあります。ここでは、タイムの安定性を確かめる指標としてレンジを計算します。レンジとは、データ範囲の最大値-最小値を計算することで、データの変動の大きさをざっくりと把握する方法です。レンジの計算方法は以下の1〜3のとおりです。
1.最大値を計算する
- 空のセルを選択する
- =max()と入力する
- ()内に、最大値を求めたいデータ範囲を入力する
- 例:=max(B2:B11)
- Enterを押す
2.最小値を計算する
- 空のセルを選択する
- =min()と入力する
- ()内に、最大値を求めたいデータ範囲を入力する
- 例:=min(B2:B11)
- Enterを押す
3.レンジを計算する
- 空のセルを選択する
- =最大値の入ったセル-最小値の入ったセル、と入力する
- 例:=B13-B14
- Enterを押す
レンジが計算できました。Aさんのレン時は6:45、Bさんは6:05となります。平均タイムではAさんよりも遅いBさんですが、安定性では勝っていることがわかります。
レンジから推し量れることと注意が必要なこと
以下の点などを推し量ることができます
- データの範囲:データがどの範囲におさまるのかを知ることができる
- 変動の大小:平均値と組み合わせることで、データの動きの大小を数字で把握できる
以下の点などに注意が必要です
- 外れ値:データ数が少ない場合、外れ値(他と比べて異常に大きい/小さい値)の影響を大きく受ける
- 偏り:極端に高い値や低い値しかない場合、レンジはデータの実体を反映しない