中原一行 | 5 動き続けるために

仕事の量が多いと、どうすればいいか見えにくいため、手が止まってしまうことがあります。タスクにはそれぞれ取りかかる手間、言い換えると初動負荷があります。この初動負荷は、タスクによって大きかったり小さかったりします。また、どのタスクの初動負荷が大きいと感じるかは、人によっても異なります。中原さんは、自分にとって初動負荷が小さいタスクを選び、そのタスクに集中します。その一方で、自分にとって初動負荷の大きいタスクは、そのタスクを得意とする人に任せます。長く仕事を続けていくためには、このような動き始めとその維持を考慮した仕組みが、重要だといえます。

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マネジャー人格と職人人格があるというお話でした。ほっておくと、どっちが強いんですか?

気分によって違うけど、ほっとくと全部めんどくさくなるかな(笑)。ほっとくと仕事しなくなる。いろいろやらないといけないって状態になって、オーバーフロー気味になると動かなくなる。忙しければ、動いてるときはいいんだけど、やることがいっぱいたまってくると、どれから手をつけようかな、まいいやラーメンでも食べてってなるので。そこはある程度システマチックにやってかなかないと、始めの一歩が重くなる。自分である程度仕事の環境は選べるので、家で仕事したり外出たり人にあったりと、いろんなモチベーションがある。

仕組みを作り、優先順位を上げるようにしてる。

そうそう。なのでオフィスに行ったりも、必要性はないけどモチベーションを保つためにだったりとか。

他にもどうやって動く仕組みを整えてます?

楽しく仕事することかな。ゲームじゃないけど、わかりやすく。ちょっと、自分が楽しいように仕事を持っていく。

提案とかもそうですか?

提案とかもそう。1つのプロジェクトを進める上でも、いろんな作業がちょこちょこあるしね。お客さんと話すのもそうだし、ドキュメント作るのもそうだし。例えば自分だと、ドキュメント作るのはあんまり好きじゃないから、それを誰かに頼むとか。分業で、自分が負担に思うことを、他の人にやってもらうとか。やり始めれば早いんだけど、やるまでが時間かかるからね。好きじゃないことって。だから、やるまでの時間が短い人にお願いした方がいい。

やるまでの時間が短い人もいるわけですもんね。

言ったら、わかりましたってすぐやってくるとか。そういう人の方が、暇だけどなんかない?っていう人の方が言ったらちゃんとやってくれたり。

動き始めるまでの初期電力というか、動力が違うんですね。

日々いっぱいいっぱいだったらめんどくさくなってくるけど、そろそろ仕事でもしようかなって思ってる人の方が、言ったら頑張るよって。加速が違うというか。

待機状態の人の方が加速が早いかもしれない。日々いっぱいいっぱいだったら動力少ないかもしれないし。そういった人のチェックをしているのは、マネジャー人格ですね。

人のリソース、その人のモチベーションとか、この人やってくれそうだなとか、この人が好きそうな仕事なにかなとか。

好きそうな仕事というのは、その方が加速が早いとか、やってもらいやすいとか。

若い人が成長するときは、自分が好きじゃないこともいっぱいやった方がいいけど、ある程度の年齢いくと、好きなことやった方が絶対いい。そういう仕事の仕方の方が長く続く。

前はそう思ってなかったですか?

若いときはなんでもやります、遅くまで働きますだったけど、家族ができて、プライベートとか仕事以外にもやることができたときに、そんな長い時間働けないし、この先どんどん歳をとると自分の稼働時間がどんどん短くなっていく。その中でさらに稼がなきゃってとき、同じことやってても全然だめだから、どうしようかなって。

リソースは限られて、歳をとるとそれがどんどん減っていくだろうと。得たい物はあって、限られたリソースでもそれを得るためには、リソースの変換効率の大きさが重要。それで、変換効率が大きくなる仕組みを探している。人のリソースをうまく使っていったり、やらなくてもいいことはやらないとか、遠回りしそうなことはやらないとか。あえて失敗することも必要だろうし、時間の管理や、仕組みを使って自分の役割を変えていくとかも必要。限りあるリソースを、なるべく使わないような体制を整えていって、本当に必要なものに使っていく。そんな流れでしょうか。

うん、そうだね。全然専門的なことじゃなかったけど、大丈夫だった?

大丈夫ですよ。最初のころに気にしてていま気にしなくなったことってあります?

最初のときよりも、ちゃんとお客さんに迷惑をかけられるようになった。人に力を借りれるようになった。

最初のころは?

最初は全部自分でやろうと思って一人で一生懸命頑張ったけど、一人だと限界があるから、助けてとか、これやってとか、仲間に助けて貰う。あとは、お客さんとのやりとりで、ある程度駆け引きしたりとか。コミュニケーションの幅?ここまでやっちゃうとダメだけど、ここまでだったら許してくれるだろうって図太さが出てきた。

大丈夫なところとダメなところをギリギリでみるように。

このまま全部仕事してたら死ぬでしょって。最終的にこの部分はちょっとぐらい遅れてもいいよねとか、ホントはあんまりよくないんだけど(笑)。あとは基本的には電話にはでなかったりとか。重要な要件だったら留守電入れてくれるだろうし、メールとかチャットとかコミュニケーションツールは何でもあるしね。

選別するように。前は全部対応していた。

図太くなったというか、肝が据わったというか。死にはしないでしょっていうのは、前よりもちょっと。いいことか悪いことかはわからないけど、そうでもしないと会社経営は無理だと思う。

これも限られたリソースでやっていくために必要なことなんですね。ありがとうございました。