西本稔大 | 6 刺し身は専門性の結晶

西本さんは、刃物でさばくことが興味の入り口となりました。刃物の理解は、段取りのスムーズさへとつながり、調理の技術に影響します。魚の知識、い い刃物を選ぶ知識があって調理された刺し身は、見た目も舌触りも最高のものです。そういう意味で、刺し身は料理人が持っている専門性の結晶といえます。

nishi_6

西本稔大 | 5 失敗をお届けしないために

調理は目に見えない部分でいろいろな予想外があり、失敗はつきものです。天候や魚量などコントロールが難しいものもあれば、あしの早さなどのように知識が増えるにしたがってコントロールできるようになるものもあります。失敗のデータベースが増え、細かな調理技術が積み上がることで、予想外の衝撃は吸収され、お客さんに失敗をお届けしなくて済むようになります。

nishi_5

西本稔大 | 4 技術は時間にあらわれる

技術は時間にあらわれます。未熟だったころ大変だった作業は、経験を重ねるごとに洗練されます。時間はそれに気づかせてくれます。時間は目安とな り、正しく技術を使えているかの判断を助けます。時間はまた、新しい技術を身につけるよう促すこともあります。限られた時間のなかで接客をどう切り替える か。西本さんのいまの課題です。
nishi_4

西本稔大 | 3 別もんへ

かつて経験が浅かったころの西本さんは、いろいろな方向から飛んでくる指示が耳に入らず怒られることも多かったそうです。技術を高め知識を深めた今 の西本さんは、献立全体から逆算して段取りを組み、最適な順番で作業するそうです。いろいろな指示というインプットを、献立というシステムで整理し、最適 な作業というアウトプットにつなげています。

nishi_3

西本稔大 | 1 仕込みと接客と調理と

和食料理人・西本さんに、仕事中何を考え、どう工夫しているのか、1時間お話をうかがいました。
仕事の基本的な流れから始まり、技を磨くなかで、何を考え、どう工夫してきたのか語られていきます。全6回です。

nishi_1
仕事は、掃除から始まります。その後、限られた時間のなかで、その日使うものの仕込みをしていきます。昼営業が始まると、仕込み、営業、調理の3つが同時 に行われます。限りある頭のリソースがそれぞれに配分されるため、頭への負荷がとても高まります。昼営業が終わった後も仕込みは続きますが、夜営業の前ま でに終了します。夜営業は、頭のリソースを接客と調理に集中配分します。こうした流れのなかで、時間通りに腕を発揮し、段取りを飛ばさずスムーズに進めま す。