詳しく説明すると?
人は基本的に「一度にひとつの作業だけやる(継時処理)」が得意で
「複数の作業を同時にやる(同時処理)」が苦手とされますが、
効率を上げるために同時処理が必要な場面もあり、
その見分けがパフォーマンスに影響します。
情報の制御8などで説明したように、
マインド・ワンダリング(作業とは直接関係のないことが浮かぶ)
が起こった場合、目の前の作業に注意を切り替える必要があります。
しかし、目の前の作業と直接関係なくても、
作業効率を高めるために考えておいた方がいい内容もあります。
例えば今使っている道具を片付けるとき
後の工程で必要なものなら使いやすい場所に置くとか、
後の工程の作業と関連あることを現在やっているなら
後の作業がしやすくなるような作業の仕方などです。
また、それ以前に「後でやった方が効率的だ」と判断した作業があった場合、
そのことを忘れないよう、定期的に思い出したりすることもあります。
これらは、「現在の作業で考えるべき点」であり、
マインド・ワンダリングのような「考えるべきではない点」とは異なります。
そうした様々なことの中から、
今自分が注意を集中すべきことと、
そうしない方がよいことを整理することが、
効果的な作業を可能にします。
技能五輪では、具体的にどんなときに使うの?
いつ?
作業を始める前や、作業の区切りの時。
今やっていることと関係ないことが頭に浮かんだと気づいた時。
どうやって?
セルフトーク:優先順位の確認や選択を促す言葉などが効果的
イメージ:
箱が押し出されるイメージ、考えるべきことにスポットライトがあたっているイメージ
動作:
「この話は置いておいて」的なジェスチャーなど
これをやるとどうなるの?
やると
ワーキングメモリを有効に使うことができます。
考える必要のないことにワーキングメモリを配分しなくて済みます。
また、作業を進める上で必要なことに配分できます。
ちょうどよい認知負荷でマルチタスクを行うことができます。
やらないと
ワーキングメモリを有効に使うことが難しくなります。
例えば本来は順番に行った方がよいことを同時にやろうとしてしまい、
認知負荷が高まります。
また、本来は同時にやった方がよいことを別々にやってしまい、
作業の効率が下がってしまいます。
その結果、作業ミスが起こったり、時間を失うリスクが高まります。
日常ではどんな場面で使うの?
テレビを見ていて、ふと仕事のことが気になったとき、
「これって今考えた方がいいことなのか?」と自問するなど。
スキルの段階は?
グリーン
チェックの仕方は?
自分が何かの作業やタスクに取り組む時を振り返ります。
そしてこのスキルの内容をどのくらい意識して行うか、
「1.全く行わない~5.常に行う」の5段階で回答します。