中原一行 | 1 枠を作る

ITコンサルタント兼システムエンジニアの中原一行さんに、仕事の中で経験する負荷、そのときに考えていること、工夫していることなどについて、1時間お話をうかがいました。
お話は仕事の基本的な流れから始まり、中原さんの考えや工夫へと進んでいきます。全5回です。

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大きく分けて2つ質問があります。 一つは中原さんが仕事している時に仕事を受けてから終わるまでの全体的な流れと、そこのなかでどんなステップがあって、どういうふうに見ていくのか。 もう一つはどんな仕事の場面でも共通していることとして、何個かの仕事が平行して進んで行くときとか、物事が思ったのと違うルートを辿っているときに、切り替えるとか、元に戻す段階があると思うんです。そういうとき、どうしているのか。 まず最初の質問からいきます。中原さんの仕事が「これで始まりました」ってなるのはなにからですか?

一番最初は電話もしくはメールからかな。仕事はどんなレベルの話がいい?開発案件全体としてか、それとも指定されたものを作るだけとか。どっちの方がわかりやすい?

そうですね。じゃあ作るだけで。

作るだけっていうと、まずはフェーズがあって、お客さんとの調整がある。実際に作るってなった場合は、スケジュールが最初。

スケジュールを作る。

スケジュールを作るにあたって、まずはお客さんの要求があるので、要求をまとめる。RFPってやつを書面で作って、「この認識で間違いないですね」ってお客さんと握る。それを元に、スケジュールとどういう作業が発生するのか、工程を洗い出してWBSを作る。

WBS。これってフォーマットがあるんですか?人によって違います?

大体フォーマットは同じで、極力細かい単位までタスクを分割する。それがあることで作業の漏れがないかとか、何を順番に作っていくのかわかる。あとは作業だけじゃなくて、そのなかにお客さんが確認するタイミングを入れたりとか。こちらの作業とお客さんとのコミュニケーションを一緒に混ぜて線表にする。

作業だけじゃなくお客さんがどう関わるかのタイミングも入れておくんですね

そこまで出来れば、それに従って進めていく。ただし、最初に作ったスケジュール通りに進むことはほぼないので、そこは常に更新していく。

ほぼないってのは、ここでは想定していなかったことも起こる?

着手してみて当初想定より難易度が高かったりとか、お客さん側でやっぱり仕様を変えたいとか、用意して貰うものが遅れたりとか、いろんなものにひっぱられるケースがある。それを見越してバッファーを持って余分に時間をとっておく。これは2日でできますってなったら、費用は2日分だけだけど、期間は4日分とっておくとか。

両方がこういう順番でここまでやりましょうってなって動き出す。動いたあとも、他のものから影響を受けたり与えたりする。スケジュール通りにいかないこともある。スケジュール通りにいくっていうのはどういう場合?

例えばうち内部のみの要因で話すと、複数プロジェクトが同時進行してる場合は、自分以外の作業担当者を専任で1つの作業に割り当てられた時かな。あとは技術的にすでにやったことがあるとか比較的容易なことであれば。

やったことがある技術。専任の人がいると、やってることが他から影響を受けないんですね。

影響を受けないように専任をつける。やったことがあれば工数も読めるから、スケジュールの確度が高くなる。バッファーをとならくても大丈夫。

一回通ったことがある道みたいなものでしょうか。中原さんの仕事は読めない仕事の方が多いんですね。そこで道を見つけたり作ったり。

ってのが多いかな。全体的には。

今3段階くらいありますね。最初スケジューリング、それからやってる最中の調整があって、最終的には納品。

あとは、自分が手を動かして仕事するときは、マネジャーの人格と職人の人格を切り替えないとなかなか難しい。まずは枠組みを決めて、それに沿ってものを作ったりとか。

作っていく人格と管理する人格と。WBSがあって、スケジュール。RFPはどのくらいの時間でやりますか?

RFPはお客さんの方でまとまってる場合もあるし、お客さん自身こういうことやりたいって相談あって何回か打ち合わせして、「ほんとにこれでいいです?」とか「こういう方がいいんじゃ」って一緒に決めるパターンもある。RFPによっては、実はシステムを作らない方がいいってのもあって、既にある市販のものをうまく利用した方がいいとか。

わざわざ新しく開発する必要はない。

そういう提案をするのがコンサル。

開発か既存かって分かれ目がある。分かれる要素の判断基準は?

一番大きいのは、納期と予算。あとは、要望。だいたいどこの会社もできるだけいいものを安く、というケースが多いけど、現実的なところで「どこまでの期間とれて、いくら予算ありますか。あとはどこまでやりますか」と。その制約の中で「じゃあこの方法でどうでしょう」と。

自分が作れるものだけじゃなくて、周りにあるものの情報収集も必要。

世の中にどういうものがあって、類似サービスとか製品としてこういうのあるから、使った方がいいですよ、とか。

情報収集ってできるものですか?忙しいとアンテナ張るの大変では?

情報収集するツール使ったり、登録しておいたRSS見たりとか、定期的に雑誌見たり。ただ、同業の人と話すのが一番てっとり早いかもしれない。「こういうの知ってる?」ってのは、人から伝わるのが一番確実な情報だと思う。

他の手段よりも。

たとえば今一緒に仕事してるメンバーだと「最近こういうの出たね」「なにそれ」ってなる。同じ仕事をしてるからある程度フィルターが似てる。同じ感覚で新しい情報を見るので「へー」って思った情報を共有すると、「へー」って。

使っているフィルターが近い。このフィルターを持っている人かどうかが共有する場合の判断基準になってくるんですかね。