アカギさんに、花火師が花火を学ぶプロセスと、その中の負荷についてお話を伺いました。1回目は、花火の玉を「作る→打ち上げる→省察する」プロセスです。そこから見えるのは、時間的に距離のある「作る」と「打ち上げる」を意識的につなげることが重要性だということです。
1時間くらい、仕事の中で花火師としてどういうキャリアを歩いてきて、どういうふうに考えてきた、技術を発展してきたかについてきいていきます。
大きくわかれて、最初に、花火師って何をする仕事なのか、中身をざっとでいいからおきかせいただいて、その中で認知不可っていうのは頭に負担がかかって間違って判断。どういう場合でも認知負荷がかかりやすい。
そういう条件の中で、どういう対処をしてきたのかとうかがえれば。仕事の入り口と出口ですが、まずどういう仕事の仕方で花火師をされていたんですか?
大きくわかれて、最初に、花火師って何をする仕事なのか、中身をざっとでいいからおきかせいただいて、その中で認知不可っていうのは頭に負担がかかって間違って判断。どういう場合でも認知負荷がかかりやすい。
そういう条件の中で、どういう対処をしてきたのかとうかがえれば。仕事の入り口と出口ですが、まずどういう仕事の仕方で花火師をされていたんですか?
まず最初は、夏休みのアルバイト。3ヶ月間だけっていう形でやり始めたのが最初で。
まず最初は、夏休みのアルバイト。3ヶ月間だけっていう形でやり始めたのが最初で。
仕事の工程のお話をすればいいのかな?まず最初は、花火師さんは何をするかというと、要は花火の打ち上げの企画、プロデュース、打ち上げ、後処理、営業、なんかも全部はするんですけど、ただ最初のアルバイトのときには、メインの打ち上げの準備。
打ち上げの準備。
そうです。と、あと片付け。
ここが最初の入口。実際には打ち上げの準備の手伝いというのは、どんなことを?
まず、花火の仕込みというのをやります。花火は丸いのをイメージすると思うんですけど、この花火は、これだけだと、ただのでっかい、ボーンって輪が上空で開くだけなので、この玉に、色々なパーツをくっつける作業をします。火薬ですね。火薬のパーツを。いわゆる星って呼ばれる、ちっちゃい丸い玉とか、細長い縦のやつとか。
丸いのだけじゃないんですね。
うん。音の出るやつとか。要はエフェクト、パチパチパチパチってなるやつとか、シューってなるやつとか、色々種類があって、大きな玉の、いわゆる玉名(ギョクメイ)っていうんですけど、シダレヤナギだとか、サンリンギクとか。
花火大会で聞くような名前ですね。
そうです。なんとかボタンとか。そいういう種類があって、その色と形に合うようなパーツをくっつけていくわけですね。よく、ボン、ヒュ〜〜〜、ドーーンってあるじゃないですか。あのヒュ〜〜〜は、くっつけてるんです。
自然に出てる音じゃないんですね。じゃあ、組み込むパーツによって変わってくるんですか。
そうです。三秒点滅とか、五秒点滅とか。
プログラミングするみたいな感じですね。
そうですね。でもだいたいセットみたいな形できまっててこれにはこれって。あとは花火師さんの感覚で。紅点(ベニテン)、赤い点滅がいいのか、青い点滅青点がいいのかとか。そこら辺は感覚で変えてったりとかしますけど、大体のセットは決まっている。
音と形のセットみたいなのが、こうしたいなら、だいたいこうできますよって。それが基本セットみたいな。それに紅点とか青点とか色々
好きな色をとか、好きな長さをとか
花火師さんが考えるんですか?それともそういうオーダーが入る?
アルバイトのときはオーダーが入るんですけど、慣れてくると何発作っといてって言われるんで、じゃあこれはこっち使おうかなって
細かい指定が入ってるオーダー。慣れてくると玉自体作ってあれば中身変えていいって。こっからここまで移るのはどのくらいの時間かかりました?
どのくらいかなぁ。まぁでも一年たったら、私はもうやっちゃってましたけど。
一年後もバイト。最初の三ヶ月夏休みで。次の夏にはもう何発やっといてって。任せられる基準みたいなのがあるんですかね。
見てて。打ち上げとかで上げてて見てるじゃないですか。こういう感じだなって頭の中でイメージできるかどうかを、会話の中で、「こいつはもう大丈夫だな」とか。
紅点がいいとか青点がいいとか。パーツの段階ではパーツでしかない。打ち上げた時のひゅーから始まるのをどう広がっていくかをイメージできるか。それを探る手段は、実際に見る、たまたまじゃないってのを見るのも必要なのかもしれない。イメージを掴めてるなって。
上げるのみて、まかしたはいいけど、なんだこりゃってのはたまにあるから。「誰が作ったんだ。やつはまだダメだな」とかね。
作ったのを見られる。
ダメだなってなると、全部細かくオーダーが来る。
ダメだと、細かいオーダーに戻る。最初雑なオーダーで後で細かくなるっていうイメージがあるんです。例えば人参切っとけとか。でも逆というか。最初細かくパーツの指定があるけど、慣れてくるとあんまりになる。そういうふうに任されていく。作業の内容はオーダーが来たり、玉を作ってってのもある。来たものに対して、基本セットプラス、自分の打ち上げイメージに合うような星をやっていく。このイメージってどういうふうにできていくんですか?打ち上げるまではわからないんですか?
パーツに名前が書いてあるので、作ってるときに名前はわかる。これとこれの組み合わせだなって、実際打ち上げのときに自分でみて、こんな感じかってイメージできる。
入れたパーツを自分が覚えてない花火師さんとかもいますか?
まぁいるでしょうね。
入れたパーツがあって、それがどう上がったかを見て、そこのつながりが見えてくる。こういう入れ方をしたから、こう上がる。丸いの平面じゃなくて立体。立体の図ってどのくらいはっきりとパーツを入れてる段階でわかります?
筒があるでしょ。こっからヒューパンってあがります。上がるときに一緒に横に出るやつがあるんですよ。で、要はしゅん、ひゅーって上がってる間に下で出ているのとかあるんですけど、基本的には、ひゅーってやつは墨って言うんですけど。こっちが星なんですよ。要は丸い玉に入ってる、丸の中にまたちっちゃい丸が入っている。それを外にくっつけたりすると、出てきたりとか、これがチカチカするとか、すごい光るのかとか。光の強弱とか。これがワンセットなわけですよね。これも色々なエフェクトがありますけど、どれで上がるのかなってのをその感じでイメージする。
点じゃないんですね。動画で再生される
あー、動画ですね。
動画で頭の中で再生されるようになるまでってある程度時間かかるものですか?
一回やって出来る人は出来るだろうけど。あーこんな感じなのかって。何種類か作っていれば一回でもイメージできるだろうけど。
上げる本番までわからないんですよね。試し上げとかないんですよね。
あーないですね。
組んでる段階で、いかに鮮明にイメージできるかが、やりたいことを実現するのにつながってくるんですね。複雑なものを作るってなると、上げてみないとわからないのに、上げた時に複雑なものになっていないこともあり得るのかなと。どのくらい複雑なものを作るっていうのが見えますか。均等に放射線状に上がる場合と、よくわからないけど複雑なものを作るためにイメージの鮮度や精度が違うのかなと思うんですが。
たぶんね、この玉自体は作ったことないというか、花火師でも作る人と上げる人がいて、基本的には私上げる人なので、玉自体は作ったことないんですけど、芯がいっぱいあると八重芯だとか。丸いのを重ねていくんですね。それがバーンって放射線状に均等に左右上下に開くんですけど、その芯をどれだけ多くするのかっていうのと。あとは文字作ったりする。あと型物(カタモノ)っていってドラえもんとかキティちゃんとか。そういうのは、結構めんどくさいですね。