フィードバックは明示的か?

電灯のスイッチを入れれば、点灯します。この場合、「スイッチを入れる」という行動に対するフィードバックは「点灯する」で、誰が見てもわかるような明示的なものです。もちろん、「点灯しない」なら、それも行動に対するフィードバックです。点灯すれば、「スイッチを入れる」という行動が正しかったことがわかります。点灯しなければ、間違って別のスイッチを入れていたかもしれませんから、行動が正しくないかもしれないということがわかります。

では、この電灯が、赤外線で発光するものだったら、どうでしょうか。

あるいは、スイッチを入れてから10分後に点灯するものだったら、どうでしょうか。

前者の場合、点灯したかどうか、つまりフィードバックが、肉眼では見えません。なので、フィードバックを肉眼以外の方法で確かめる必要があります。

後者の場合、フィードバックは見えますが、時間的がかかるため、その間にスイッチを入れたことを忘れる可能性があります。なので、10分後に忘れず確認する必要があります。

何かの行動を起こした時、それが期待した通りになったかどうかを、確認する必要があります。フィードバックはその手がかりとなりますが、日常的に、フィードバックが必ずしもすぐに、目に見える形で得られるとは限りません。

なので、自分が学ぶ立場であれば、見えない中からフィードバックを意識的に探す、あるいは忘れずに行動とつなげることが重要でしょう。また、教える立場ではれば、自分にとって明示的なフィードバックが相手にとって見えにくい可能性があること、相手がやってからフィードバックを得るまで時間があるほど忘れやすくなる可能性があることを踏まえて、フィードバックを使っていくことが重要でしょう。

中原一行 | 5 動き続けるために

仕事の量が多いと、どうすればいいか見えにくいため、手が止まってしまうことがあります。タスクにはそれぞれ取りかかる手間、言い換えると初動負荷があります。この初動負荷は、タスクによって大きかったり小さかったりします。また、どのタスクの初動負荷が大きいと感じるかは、人によっても異なります。中原さんは、自分にとって初動負荷が小さいタスクを選び、そのタスクに集中します。その一方で、自分にとって初動負荷の大きいタスクは、そのタスクを得意とする人に任せます。長く仕事を続けていくためには、このような動き始めとその維持を考慮した仕組みが、重要だといえます。

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中原一行 | 4 自分を細胞分裂させる

多くの仕事を引き受けると、一人ではさばききれないレベルの負荷かかり、負荷を分散する必要にせまられます。しかし、そうした負荷は、「やり方の細胞分裂」を促す場合もあります。中原さんは、自分を2つに細胞分裂させ、負荷を分散しました。1つは、自分の中を分ける方法です。自分の中に幾つか役割を作り、やることの切り替えに関する負荷を分散します。もう1つは、自分の外へ分ける方法です。自分だけで仕事を抱えず、人に任せます。自分のやり方をこのように変えることができたのは、今までと違うやり方をしても、自分の期待通りか、それ以上の成果が得られると理解したことが、重要だったといえます。

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中原一行 | 3 認識の差を埋める

第3回目は、認識の差とそれを埋める仕組みについてです。お客さんとエンジニアは、持っている知識や経験が違っています。そのため、認識に差があることが前提となります。お客さんに役立つシステムを作るには、その差をどう埋めるのかが、語られます。

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